二月の星のうえ

テイルズが好きです。ほぼネタバレに配慮していない個人的な感想です。

【TOtR】レイズ2部4章考察。シンクと最後から2番目の思想

テイルズオブザレイズ ミラージュプリズン4章『憎悪を抱く仮面の少年』が配信されました。2部はいろいろなところで話が同時に進行しているので、今回もやはりほとんど時間が進んでいません。恐らく開始から1日すら経っていないのでは。
2部の時系列は以下のとおり。次回は、みんなの持ち寄った情報をジェイドリフィルとかがまとめてくれそう。

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また話が複雑になってきたので整理していきたいと思います。
当然のようにテイルズオブジアビスのネタバレがあります。

アスガルド帝国の目的は?

アスガルド帝国は何をしようとしているのか、現時点での情報をまとめます。

・アスガルド帝国は大昔に滅び、帝室に連なる一族も絶えている。
・具現化によって再生された人々の記憶や意思は曖昧模糊としており、ファントムの最後の具現化の際にも記憶の操作が行われた可能性があり、帝国への帰属意識を持たせることは容易だった。
・具現化されたアスガルド帝国の島は、かつての帝都をそのまま具現化したもの。ただし、過去の具現化には限界があるため、ファントムが開発していた「自分の理想を具現化するカレイドスコープ」は完成していてそれが使用された可能性が高い。
・はぐれ鏡映点を集め、その中に特異鏡映点がいないか探している。とくに、特異鏡映点亜種(Iの転生者)と分史世界の概念をもつX2クルスニク一族を重要視している。
・皇帝を自称するデミトリアスは、ダーナの予言に傾倒し資料を集めている。
・女神ダーナを巫女の体に宿す【神降ろし】を実現させようとしている。器としての巫女には、鏡映点のうち適正がある女性が選ばれる。ex.コハク、シャーリィ
・メルクリアがリビングドールを造っている。

今回、リビングドールの造り方も明らかになりましたが。

・空っぽの人間に魂を入れたもの。アニマ(魂みたいなもの)を失った人間に、別のアニマを注入してキメラ結合させている。(キメラ化、キメラ具現化、などの単語が9章に登場している。対象が混ざり合って具現化したとかの意)
・それには死者を具現化させて利用する。

で、その失敗作が「アミィ」になるわけだけど、彼女についての経緯は、4章を読んだ限りでは相当複雑だと思う。

「ファントムが具現化したって言ってたけどリビングドールにしたのはメルクリアだろ?」「アミィちゃんもアニマを失ってる?」「いや、アニマを消せなかったんだろ。だから心が壊れてこんな状態(ただ笑顔を浮かべるだけ)になってるんじゃないの」といった会話から推測すると、
・死者アミィを具現化したのはファントムである。
・その後、恐らくメルクリアの指示により、アニマを消そうとしたがうまくいかず心が壊れ、単一の感情のみを浮かべる人形のようになった。(厳密にはリビングドールになれていない)
という流れになるかなと。
だから、ファントムが具現化した死者アミィ、マーテル、ノイシュ、アステルは、おそらく具現化された時点では、ほぼ蘇生に成功していたのではないかと思う。マーテルたちは現在も普通に過ごしているかのような描写があるし、なぜアミィだけが実験台にされたのかはわからないけど、とにかくマーテルらはまだメルクリアに何もされていないのでは。だからミトスもここを離れることが出来ないのではないかな……

ところでビフレスト皇国やかつての世界を滅ぼす原因になった、ミリーナの開発した魔鏡兵器カレイドスコープの特性は、「対象のアニマを抜き取り、光の砂へと変えて消滅させる」というもの。具現化させた死者からアニマを抜き取るにはこの機能が使われているのだと思うけど、これをビフレストの生き残りであるメルクリアがやってるんだとしたら、ミリーナへの復讐でもあるようにみえるよね。。
自前の世界で死者の復活をやらないのはなぜかよくわからないけど、異世界のアニマが必要だからなのか。
そして死者の具現化に使うファントムのカレイドスコープ(自分の理想を投影して具現化する)を動かすには誰かが願わなくちゃいけないから、死者に思い入れのあるキャラたちが集められていて。いざ具現化したら、アニマを抜かれて別のアニマを注入されるとは……これが人間のすることかよぉぉぉ(ってミリーナに言って欲しい(笑えない))

コハクは目覚めれば話をできる状態であるらしいので、巫女候補のアニマを抜いているわけではないようですが、以前に神殿から助け出されたシャーリィは様子がおかしいし、リビングドール計画と【神降ろし】は連動している感じはありそうですね。。


次にダーナの予言。太陽神ダーナの警告について。

・絶対の未来ではなく、「可能性の未来視」のレベル。
・この世界は魔鏡によってやがて消滅する、と予言したもの。
かつて「太陽神ダーナ」は、ティル・ナ・ノーグの滅びを予言した。その救済のために、来るべき時に備えてダーナの巫女と精霊たちを眠りにつかせた。この巫女が、鏡士の始祖ヨーランド・ビクエ・オーデンセ。滅びへ瀕したとき、精霊はヨーランドの目覚めと共に再び目覚める。
・しかしヨーランドはまだ目覚めていないが、異世界の存在が具現化されたことでこの世界の精霊が目覚めだしている。
・魔鏡と鏡精が世界の滅亡に関わるらしい。

さてこれはまだ全然よくわからん、という感じですが、今回はじめて「鏡精が滅亡に関わる」と明言されたのが驚きでした。

 

そのほか。シャーリィについて。

ゼロス「だた、得体が知れねぇっつーの? あれは鏡映点とかストレンジャーじゃなくてリビングドールなんじゃねぇか?」
フィリップ「どうかな。それとも違うように感じるが……」

もう「シャーリィ?」って表示されるの見てほんと怖かった。リビングドールだとしたら別の魂が入ってることになるけど、それとも違うとしたら、一体どうなってるんだろう。
リチャードチーグルも同じような感じでしょうか。はやく教えてジェイドさん。。

 

マークとフィル。
はじめてマークとフィルの会話が聞けてとても嬉じがっだでず!!!!!;;
シンクの前ですら終始冷静で穏やかだったのに、マークと二人になると急に気弱で子どもみたいになったりして、鏡精に励まされるフィリップ35歳……うんうん離れてる間不安だったよね、よかったね、また二人で一緒にいられて。
なに一つ似てないけどお互いのことは大事にし合ってるこのふたりすごく好きなんだ……
コーキスもはやくイクスに会いたいよね……
ミリーナから逃げ回ってるフィリップ好きすぎる

 

レプリカとリアライザー

シンク「同じことさ。ゲフィオンとあの黒衣の鏡士はお仲間だろ。レプリカとオリジナルみたいなものだ。」
フィリップ「……シンク。具現化した存在は……似て非なる者だ。運命の分岐点から違う道を歩む自分の可能性……それが具現化された存在――リアライザーだと僕は思うよ。」
(中略)
フィリップ「ミリーナとゲフィオンは違う人間だよ。」

この会話、はじめて読んだときは「うーん」って感じだった。というのも、レプリカに対する解釈について、アビスこじらせオタクの私はこう思ったのです。

「いやいやフィリップさん、レプリカとオリジナルだってただのコピーじゃないんだよ、アビスをプレイしてみてくれ。こういう台詞がある。
『俺はお前のレプリカだ。でも俺は……ここにいる俺はお前とは違うんだ。考え方も記憶も生き方も』
『俺とお前は違うんだ。アッシュ。お前にもあるように、俺には俺だけの、大切な記憶がある。それはもう、別の存在ってことなんだよ』
だから『レプリカとは違い、具現化した存在は似て非なる者。別の人間』というのは聞き捨てならない」と。

でもフィリップが「オリジナルとレプリカは同じもの」と解釈したのは当然だったんだとちゃんと読んで思った。
なぜなら、恐らくフィリップのアビス知識は、シンクの主観的な説明によるものでしかないからです。シンクの口から語られたレプリカについての情報なんて「コピー、模造品だよ。似てるだけの偽物。ゴミだね」くらいで、彼らの可能性とか「オリジナルとレプリカは違う人間」だなんて一言も話していないんだろうなと。シンクらしいけど、そっかーって思った。

今後アッシュが具現化されて、フィリップがルークとアッシュに出会ったら、「!? これがレプリカとオリジナル? シンクが言っていたのと全然違うじゃないか……」と驚嘆して欲しいし、レプリカに対する想いを塗り替えて欲しいなと思いました。

まあ預言に関しても単に「絶対の未来」と説明されると「うーん」って感じではあるんだけど、そこはもうあれだゲームをやればいいんだ。

地獄さ、ここは

この世界について、アニスは「もとの世界の、自分のしてきたことの痕跡が何もなくて苦しい」と言い、ゼロスは「面倒なしがらみが綺麗さっぱり消えちまったのが新鮮」と言っていて、それぞれみんな思うところがあるけれど、シンクはここを「地獄」だと表現した。
カレイドスコープによって具現化された、この世界の正しい歴史ではすでに死んでいる人々の国。人も建物もすべては何かを映しとって描き出されただけの風景。世界中がエルドラントのように虚しく、実体がなく、人々は記憶や意思さえ操作されている。この世界はアビス世界以上に人間の悪意に満ちている。それは「レプリカ以上のレプリカ」だとシンクは言う。
シンクはもとの世界のことも嫌い(というか執着はなくただ憎悪している)だけど、レイズ世界も気に食わないことばかりでこんなところに生まれてきてしまったことを同じく憎悪しています。創造者である鏡士を殺してしまいたいほどに。どこを見ても、自分の空虚さと重なってしまうようで、嫌で仕方ない。

でも、もう少し付き合ってもいいかな、と思うのは、彼を縛るものが何もないというのが影響していると思う。彼は今、生まれてはじめて自由になったんだよね。オリジナルも預言もヴァンもいなくて、利用価値の有無も求められず、誰かのためでも自分のためでもなく、ただ好きに生きていい。地獄だけどね。でも、何かに縛られない自分なんて「はじめて」のことだから、やりたいことがたくさん出てきて、「ここは地獄だしボクはまた無意味な生を受けた……でもまあ、少しくらいは好きにさせてもらうよ」って思ってくれたらそれだけで最高なんだ。

原作シンクは、ルークたちを道連れに自分も死ぬのをまったく厭わない、使い道がなくなれば死ぬだけ、だったのに。
今回二度も仲間と別れて一人で危険な役を引き受けたけど、それは原作の「死んでもいいから」という理由とはまったく違う。「体格的にボク以外無理」とか「そっちが大立ち回りすれば別に平気」とか、効率重視っぽく言っているものの、「自分がやりたい」とか思ってしまったのではないかな。「代わりはいくらでもいる」と思っているシンクが「ボクがやる」って言えるのも、あたりまえのようで、すごく輝いていて。レイズのシンクが生き生きしてるように見えるのは、誰かの駒だったり利用されているのでなく、何にも縛られずに自分の意思で行動しているからなんだろうな。そんなの原作では自分でも許さなかった。あのとき仮にエルドラントで生き残ってしまっていたとしても、あの世界でのあのシンクは、息をしつづけることに耐えられずもうどうやってもしぬしかなかったと思うんだ。
それがいいとか悪いとかじゃないけど、レイズの世界でまた少し違うシンクの可能性を見ることができるわたしたちは、とんでもない奇跡に立ち会っているんだ。それだけで、課金してレイズを応援する価値があると信じられる。 今まで生きてきてよかったと思えるレベル。

もっとシンクのこといろいろ書こうと思ったけど、いろいろありすぎてまとまらないので思いついたらツイッターで書くことにします。。

ところで、「シンクはいつからレイズ世界にいたのか?」という疑問について。
シンクは、この世界の情勢や具現化された他のキャラたちにやたら詳しい。アルヴィンを「裏切り者」と呼ぶ。ミリーナたちを殺しても構わないとマークから言われていた。
つまりマークがフィルを助け出す前、1部の頃からすでにシンクは具現化されていて、マークと一緒にいたということです。だから一応救世軍側だったんだろうけど、なぜかディストとは今回初めてこの世界で顔を合わせた様子でした。今までどこで何してたんだろう。それにサブシナリオを読むと、本当にマークには素直な様子。なんでそんな仲良くなってるんだ、レプリカ・鏡精としての生い立ちが似たような者同士とはいえ、マークは「必要とされている」側の人間だぞ……そういうの嫌悪してたじゃんシンク……まじでなんでマークと仲良くなったの……(呼吸困難)

読んでいただきありがとうございました。みんなのところにシンクが来てくれますように。

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