二月の星のうえ

テイルズが好きです。ほぼネタバレに配慮していない個人的な感想です。

【TOtR】レイズ3部11章考察。鏡精は砂嵐の夢を見るか?

テイルズオブザレイズ 3部第11章『鏡精の嘆き』が配信されましたので感想です。
テイフェスで発表された謎の女の子がついにカーリャ・ネヴァンとして実装されました。キャラデザめちゃよきだし冷静な喋り方も可愛くて好き~!でもバトルでどうやって鏡の移動してるのかよくわからなくて使いこなせない(白目)
シナリオで彼女が登場したとき、マークの声が本当に少年みたいになったの凄すぎて何回も聞いてしまいました…。

今回は、先に実施されたダオス攻略戦の内容に加え、【死鏡精】に関する話がメインで展開されていたのでその辺について考えたいと思います。

※新章の配信と同時に1部フルボイス化もされましたが、序章を読んだところシナリオにかなり大幅な加筆修正が入っていたので、もしかしたら一部の設定も変わっているかもしれません。1部シナリオの主な変更点とかは別途まとめたいと思いますがとりあえず先に最新話の感想を書きます。

まだ赦さない

前回、フィリップからイクスへ罪の告白がありましたが、緊急事態になったため話は中断されており、まだすべてを語り終えたわけでも、謝罪があったわけでも、赦されたわけでもない状態です。
なのでイクスの心労はMAXで、それを察したコーキスが声を荒げるほどだったわけなので、その元凶のフィルから「コーキスとちゃんと話したほうがいい」とか言われたときにイクスが「あなたの知ってるイクスならそうしたかもしれませんね」ってめちゃくちゃ冷たく返してた(もう名前も呼ばない…)の、イクスにまったくブレがなくてほんと好きだと思いました笑 そのあとフィルが「!!」って言葉に詰まった様子だったんですけど、今のイクスが自分のいうこと聞いてくれると少しでも思ってたんだろうかこのおじさんは……。

フィルはダオス城に行ってから、コーキスに「イクスが悩んでいるのは僕のせいだ。僕があまりに……自分本位だったから。償いはする。だからコーキス、どうかイクスを支えてあげてくれ。僕の知っている最初のイクスに鏡精はいなかった。君だけが――今のイクスが、唯一無二のイクスであるという証なんだよ」と言います。
ロジックとしては「一人目は(恐らく二人目も)鏡精を具現化することはなかったから、他のイクスがやらなかったことを今のイクスだけが実行した。今のイクスだけが持つ感情・記憶・動機から生み出されたのがコーキスだから、コーキスの存在こそが今のイクスがイクスであるという証明」ということなんでしょうけども、でもその尊い「今ここにいる唯一無二のイクス」はフィルが捏造して造り出したものだということは、コーキスの存在があったとて消すことは出来ません。唯一無二だったイクスの自己を捻じ曲げたお前がそれを言うなと思ってしまったので、本当にはやく全部話して謝ってくれ。

ただ、新登場したネヴァンも「ゲフィオン様は自己犠牲ではなくもっと別の形で償う方法を考えられた筈。イクス様が生きていたらきっと同じように仰ったと思います」と言ったりして遠回しに「フィリップではゲフィオンを救えなかった」とだいぶフィルを批判していたので(ゲフィオンの想いを受け継いでいてイクスに対する愛情をもっていることも影響してるかもしれないけど)、マジでマークしかフォローしてくれる人がいないフィルの今の状況はけっこうつらいものがあるなと思いました。いや自業自得以外のなにものでもないけど

ネヴァンの言った「自己犠牲は罪を犯した者の自己満足に過ぎない」という言葉は、ゲフィオンに向けてのものでしたが、とくにフィリップはここテストに出るのでよく覚えておいてください。

ティル・ナ・ノーグからの脱出

鏡映点たちは元の世界には戻れない、ということは周知の事実としてありましたが、今回、より詳しく「理論上は、この世界が滅びる時にこの世界を囲む壁がなくなるので世界が滅びきってしまう前に脱出すればいいが、現実的には無理」「具現化はこの世界特有の仕組みなので他の世界に行ったところでそれは成り立たず消滅するだろう、元の存在と融合することも出来ない」と説明されました。なるほど~そりゃそうだよね~元の世界に戻れたとしてここでの記憶はどうなるんだとかごちゃごちゃ考えてたけど、とりあえずはこの説明にとても納得しました笑
去年書いたやつだけどだいたい合ってたかもしれない。

ところで10章で、デミトリアスたちはこの世界の要であるダーナの心核を破壊しようとしており、「世界を滅ぼせばお前たちだって死ぬんだぞ!」とイクスたちから言われた際には「死なないさぁ。俺達はなぁ?」とグラスティンが発言していました。
つまり彼らは、今回フィルが説明した「世界が滅びる時にならこの世界を脱出することが可能」というのを実践しようとしているのかなと思いました。
なので、ひょっとしたらダオスはデミトリアス側についた方が自分の望みに近付けたのかもしれないですね。

鏡精、元鏡精、人間

ネヴァンの状態についての現時点での説明は以下のとおり。

・ネヴァン本人談
「私はもう鏡精ではありません。鏡精であった者、です」「成体となった鏡精は、マスターとの繋がりを断たれると人間という存在とほぼ同じになります」
・アプリ内お知らせのキャラクター紹介
「人体万華鏡となったゲフィオンを救出するために行動している元鏡精。ゲフィオンがリンクを切り離したことで人間に近い存在となっている」

・ゲーム内プロフィール
「鏡精であった彼女は『死んで』しまった。(中略)人として孤独に生きる日々」

・ネヴァン信頼度スキット
 テネブラエ「鏡精から人間になると色々複雑なんですねぇ……」
 ネヴァン「今は切り離されて独立した人間……のようなもの」

うーん「人間」なのか「人間に近い」のか微妙だし、6章でダオスがネヴァンを見て「人ならざる者」と言っていたので、結局は「人間ではない」のか……定義としては「元鏡精」くらいがちょうどいいんでしょうか。
ところで「切り離されるのが怖い?成体であるあなたにそんな感覚はない筈ですが」とネヴァンがコーキスに言っていますが、成体の鏡精と元鏡精とは、もしかしたらマスターとのリンクの有無くらいしか違いがないのでは?と思いました。見た目も変わらないし。むしろ、バレンタインイベントでのジェイドの発言のとおり「鏡精は姿が大人になると存在そのものが変質するのかもしれない」ので、キラル分子の反応をあまり感じ取れなくなる・姿自体がまったく変わる、といった幼体→成体の変化の方が大きい感じがします。
つまり、成体の鏡精は、マスターと繋がっているだけのほぼ人間。なので一般的な鏡精は切り離されることに恐怖を感じない(性質がほぼ変わらないので)のかも。
「幼体の鏡精を切り離すとどうなるのか?人間になるのか?」についてはまだ言及がないのでよくわかりませんが、「人間に近い存在になる」のは成体に限った説明のようなので、幼体のままの独立は別の問題(恐怖を感じてもおかしくないもの)がありそうです。あるいは幼体のまま切り離すこと自体が「殺す」ということなの??
コーキスが切り離しについて特別恐怖を感じるのは、単にマスターへの思い入れが強いだけではなく別の理由がありそうですが現時点では不明です。「イクス」の鏡精だから、とか魔眼持ちだから、とかなんかいろいろありそう。

それから、10章でヨーランドが「私のご先祖様はね、太陽神ダーナの鏡精だったのよ。私は鏡精の子孫ってこと」と言っていましたが、この世界はダーナが具現化したもの、この世界の最初期の住人はダーナの鏡精だった、ということと今回の話とをあわせて考えると、「最初に、ダーナが具現化した鏡精(成体)がいた。ダーナから切り離されたその存在が、今の人間の先祖になっている」ということなのかも?

愛情としての【鏡精の切り離し】

で、上記の「成体と幼体とでは本質的に変化しているのでは」っていう話に関連して。
今回のシナリオに登場した死鏡精の姿(立ち絵)は、どれも鏡精の【幼体】の姿でした。(クエストだと虫とか鳥のモンスターだったりしたけど)
ということは、もしかしたら死鏡精には幼体しかいない?つまり、成体よりも幼体の方がエネルギーに変換する際の効率が良い、あるいは、大人の姿になってから殺してもキラル分子は生成されない、のではないか??と思いました。

もしそうなら、鏡精を守るためには「鏡精を成体の姿にさせる」ことがまず必要ですが、それは鏡士の能力に依るところが大きいうえに、鏡精のままだと、鏡士の力が弱まったときとかに幼体に戻ってしまうこともあるし、若いときのゲフィオンが「カーリャ。あなたを殺させはしない」と言っているので鏡士本人が拒否しても奪われる可能性すらあったかもしれない。
なので「成体の鏡精を切り離して人間に近い存在にしてしまう」ことが、鏡精を殺させないいちばん確実な方法だったりするのではないでしょうか。

ネヴァンは、自分がゲフィオンとフィルの計画に反対していたせいで切り離されたと思っているし、コーキスも「ゲフィオンはカーリャを切り捨てた。マスターはそんなことしないよな……?」と思っているけど、もし上記のとおりだとするなら、鏡精を切り離すことは鏡精自身を守ることにつながる、つまりゲフィオンがカーリャを守るための行動だったのでは……?と思いました。

ゲーム内のネヴァンのプロフィールに「どちらも互いを守ろうとした結果、道は分かれ、鏡精であった彼女は『死んで』しまった」とあります。
計画に反対していたから彼女を切り捨てたのだとしたら、「どちらも互いを守ろうとした結果」とは書かれないと思うし、ゲフィオンからカーリャへの愛情が確かにあったからこそ、切り離しが行われたんだと思います。

彼女に関する一切を忘れるとしても、殺されてしまうよりはいいと決断して切り離すことで、ゲフィオンは無二の親友を守ったのではないでしょうか。

……とぐだぐだ書いたけどまあ普通に「自分が人体万華鏡になったらカーリャにもどんな悪影響があるかわからないから鏡精としてのリンクは断っておいた方がいいだろう」と思ってそうしただけかもしれんけど

キラル分子とアニマ、カレイドスコープ

1部の公式サイトを見ると、用語解説が載っています。

キラル分子:ティル・ナ・ノーグの特殊なエネルギー粒子。
アニマ:生物の根幹の物質。魂のようなもの。失った対象は光の砂となる。
カレイドスコープ:物質や生命の根幹であるアニマを抜き出し、カレイドスコープの内部で反射を繰り返すことでその物体を消滅させる。アニマを失った対象物は光る砂となって消滅する。

キラル分子について補足すると、魔鏡術の力の源であり、また「異世界のエネルギー物質(マナや音素、レンズに宿るエネルギーなど)はキラル分子に変換されている」のでそういうものだと思えばわかりやすいでしょうか。つまりあたりまえに存在しすべての技術あるいは世界の秩序を支えるようなものという感じです。

あたかも無限のエネルギーであるかのように思わせるほどに鏡精を無限に殺してきたわけですが。

重要な立場にいたゲフィオンやフィリップはそれに賛同していたのか?止められなかったのか?という疑問には、一応「キラル分子を生成できるカレイドスコープを完成させることで鏡精システムに替えようとしていた」というフォローがありましたが、正直、それは「ついで」だったと思います。
カレスコという魔鏡兵器を完成させた本来の目的は、イクスを殺したビフレストに復讐するためでしたので。とくにその頃のゲフィオンは復讐にとりつかれていたと思うし、カーリャは別として、他人の鏡精が殺されようがほぼ気にしていなかったと思います。
イクスが死ぬ以前から研究をしていたというイクスの両親は本当に鏡精のためを思って開発しようとしていたのかもしれないけど、ゲフィオンとフィルは、まずはイクスの復讐が先にあって鏡精システムの問題は二の次だったんじゃないかなと思いますね……
で、結果として鏡精を殺す以外の方法でキラル分子を得る機器を生み出せはしたものの、結局殺される対象が鏡精から敵国の人間に代わっただけで根本的に解決していないし、なんだかなあっていう……この世界って今後なにか少しでも救われることあるのか??????笑

※ところで、1部のフルボイス化にあたり、序章の内容が大幅に加筆されています。旧序章では「キラル分子」という用語自体は一度も出てきておらず、「さあ、始めるぞ。アイギスを癒すエネルギー、"アニマ"に満ちた、異世界の具現化を!」という、どちらかというと「アニマ」を得ることが必要みたいな感じで書かれていました。
しかし加筆後の内容は、鏡精を殺してキラル分子を得ていた、という今回判明した設定にうまく繋げるためか、「アニマの流失を防ぐアイギスを修復するために、キラル分子が必要。なので異世界を具現化しそこからエネルギーを得る」というふうに変更されていました。アニマじゃなくてキラル分子を得る作業の指示に変わっています。(大筋としては同じだけど細かい用語が違う、って話)

ビフレストと予言と死鏡精

たぶん死鏡精の問題ってセールンド王国に限った話じゃなくて、それを本当に問題視してたのは恐らくビフレスト皇国側なんだと思います。
2部終章や3部1章で語られたこの世界の歴史は「セールンド王国とビフレスト皇国が成立したあとしばらく二国間の関係は平穏だったが、キラル分子と呼ばれるエネルギーの発見と利用法(←これが鏡精システムの運用を指す?)を巡って対立するようになっていった」「ビフレストは、セールンドが再三の忠告を無視して禁忌である鏡精を生み出し続けていたことから、オーデンセ島を襲撃。これがきっかけとなって魔鏡戦争が勃発した」というものでした。

鏡精の何が世界にとって悪なのかはまだ判明していませんが、ビフレストは「鏡精がこの世界を滅ぼす」という予言があったために、鏡精の具現化をやめるようセールンドに忠告していたけど、エネルギー確保のためにそりゃあもう無限に生んでは殺していて止める気配もなかったから、とうとう武力行使に出たという感じでしょうか。
(ビフレストにとっては鏡精を殺す行為の善悪自体はどうでもよかっただろうけど、鏡精具現化の術を、大量に、使い続ける、ということを問題視したのかなと思います。)

で。今回、死鏡精に遭遇したフィリップが「もしさっき戦ったのが本当に【死鏡精】なら、壁が壊れなくたって世界は消滅しかねない」と危惧していたんだけど、それってまさにダーナの予言通りのことなのではと思いました。以下は3部3章で語られたダーナの予言の一節です。

揺り籠を揺らす手を操ろうとしてはならぬ
鏡写しの心は、アニマ無き人となり
再びフィンブルヴェトルを招くだろう。
フィンブルヴェトルが揺り籠を飲み込むとき
ダーナの巫女は目覚め
精霊を従えてラグナロクへと立ち向かう。
フィンブルヴェトルは死の季節。
世界の終末の始まりである

死鏡精というワードが出てくる前はこの予言がいまいち理解できなかったんだけど、11章読んだあとだと今の状況とぴったり合うんじゃないかと思うんだよね。
「揺り籠」は「この世界」を、「フィンブルヴェトル」は「死の砂嵐」を指しています。そして「鏡写しの心は、アニマ無き人となり」っていうのが、まさに「死鏡精」を指しているんじゃないでしょうか。(前もこれ「鏡精」のこと指してるんじゃない?って書いたけど、アニマ無き~がしっくりきてなかった)
鏡精は鏡士の心の深淵を鏡に写して具現化したものだから、「鏡写しの心」という言葉そのものだし、「アニマ無き人」は「死んだ鏡精の残滓である【死鏡精】」のことだと思いません??しかも今の死鏡精は「カレイドスコープでアニマを抜かれ死の砂嵐を漂う粒子になった、鏡精の墓場」に由来するのでなおさらアニマがない。

今、ゲフィオンの人体万華鏡が崩壊の危機にありますが、それが崩壊すると、封じていた死の砂嵐が再び世界をのみこみティル・ナ・ノーグは滅ぶことになります。(予言どおり)
ちなみになぜ崩壊しかけているのかというと、死の砂嵐が活性化したから。なぜ活性化したのかというと、マークは、ダーナの心核が破壊されかけたことや大樹カーラーンが異常発達したことを挙げていますが、大樹の異常発達の原因は死鏡精がそこでキラル分子を集めてたぶん自己増殖もしているから。で、死鏡精は死の砂嵐から漏れ出してきているっぽいけど、たぶん内と外とで呼応して活性化しあっていることでさらに死の砂嵐の威力を強めているような感じがします。

フィリップは、死鏡精が具体的に世界にどう悪影響を及ぼすのかは語っていないんだけど、それの存在を認識しただけで「世界が消滅するかも」と思い至っているので、これからヤバいこと(つまり予言どおり死の砂嵐が再び世界にあふれるようなこと)になりそう。こうなることが予想できたから、ビフレストは鏡精を使い続けることを止めさせたかったのかな、と思います。

 

ところでびっくりしたんですけど、フィルのモノクルは魔鏡だったんですね!?
ファントムも同じもの持ってるってことはファントム具現化前から身に付けていたものということなんだろうか。ビクエの魔鏡とか守護魔鏡とかいろいろ持ってるけどモノクル魔鏡はどういう用途なんだろう……てか装備品多いな……

あと、シングのことを「毒」とか言って「どうだった?うざかった?(にやにや)」「別に。もう忘れた」って感じでだべってるミトスとシンクがめちゃくちゃ男子高校生みたいで可愛いなと思いました。
ジェイドからの着信に出たくなくてジーニアスに代わりに出てもらったりとかもさぁ……そんなやりとり自体がシンクにとってありえない奇跡なので本当に感謝。
あと、イオン様が「僕の代わりは……いませんから」って言ってくれたの、本当にありがとうございました。

今年も楽しくレイズで遊べました。年末はフルボイスで1部聞いて過ごしたいと思います。来年もよろしくおねがいします。

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