二月の星のうえ

テイルズが好きです。ほぼネタバレに配慮していない個人的な感想です。

【TOtR】レイズ2部2章考察。生ける死者。メルクリアについて。

テイルズオブザレイズ ミラージュプリズン2部第2章『囚われの少年と浚われた少女』が配信されましたので感想・考察を書きます。
断片ながらいろいろ明らかになってきてはいるんだけど、複数チームで同時並行的に話が進む展開だったので少し整理した。

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自分用につくってはみたけど、次章くらいでユーリはフレンに会えそうだね!ってことがわかったくらいだったw
あと、人数も増えてきたから「そのキャラがそこにいる」ことにかなり必然性が出てきました。シナリオつくる人どんだけテイルズ詳しいんだよっていつも思う笑

さて相変わらず問題が山積みなのでひとつずつ見ていきます。いろんな作品のネタバレしてますのでご注意下さい。

未知のアニマをもつ『転生者』

TOI原作において、ルカやイリアは神々の生まれ変わりである「転生者」という設定でした。前世の記憶を持ち、異能をふるうことができる。その状態は、クラースが考察したように「転生者というのは一つの身体に同じ魂が分裂して存在しているようにも思える」といったもの。
そういう人間がレイズ世界に来ると、『未知のアニマ』を発現してしまうらしい。
未知のアニマの使い途は今のところ不明ですが、メルクリアの計画を進めるために必要なものであることは確か。このへんは、後述するリビングドール計画なるものにも関連すると思われる。
で、ナーザの「特異鏡映点亜種02、03」という発現から、現時点で具現化している「転生者」は少なくとも3人いて、おそらく01がルカ、02がイリア、03がスパーダということになるのかな。
スパちゃまはルカみたいに大人しくしてなさそうなので、すごい楽しみ笑 見張りの兵から怖がられてそう。

ちなみイノセンス組は、レイズでも珍しい『ED後』の人たち。戦闘手段である天術はエンディングで天地融合を果たしたあと使えなくなっていましたが、なぜかこの世界では使えるようになっている。エンコードの影響なのか、なんなのかはまだ不明。

イノセンス組でコンウェイしか実装されてなかったのは、「転生者」であることがシナリオ上重要な意味をもつためだったのか。なんかほんといろいろよく考えられてるな、って思うので、これからもゼロスくんのこといくらでも待てるわ。

この「転生者」という括りだけれど、クラースのいう「一つの身体に同じ魂が分裂して存在している」のがその定義としてしまうと、エミル(ラタトスク)とか、ラムダ憑いてる場合のアスベル・リチャードあたりも該当してきてしまう気がするんだけど、どうなんだろう。純粋にイノセンス世界の「転生者」だけなのかしら。
ナーザがラタトスクについて「反吐が出る」と言っていたことについては後述します。

メルクリアのこと。リビングドール計画のこと

いまだに名前だけで何者なのか見当もつかないメルクリア。
初めて名前が出たのは13章で、デミトリアスの「アルヴィンだってメルクリアに良くしてくれていたし」という発言。
その次は14章前編で、ミリーナ陣営からマークを逃がすために「フィリップから頼まれて」「メルクリアから預かった鏡」をもったシングとカイウスが登場し、その後ふたりはメルクリアとフレンとの合流を目指す、というシーンがありました。
スタック・オーバーレイの余波に巻き込まれたミトスたちが城から逃げ出すのを助けたりもしている。

メルクリアに対するキャラたちの反応は様々だったので、それも振り返り。
ミトス→いい印象をもっていない。マーテルやノイシュの具現化が成功したにもかかわらず「本当に、これで良かったの?」と悩んでいる。また、「自分を見ているようで反吐が出る」とも。
ジュニア→助けられたこと等について感謝してはいる様子だが、自分たちはメルクリアの元から離れられない(離れたくても?)と発言。
ルビア→リビングドール計画に反対。ルカに「メルクリアに気を付けて」と言う。
チェスター→ルビアの罪についてメルクリアとの間に立って仲裁できるくらいの間柄。
カイウス・シング→素直に従っているような…。
フレン→なんか側近感がある。

うーん、メルクリアはもともと誰の味方だったのか、今は何をしているのか、わからないことだらけですが、今回ようやくヒントとなるキーワードが出ました。それが「リビングドール計画」
ルビアいわく。「メルクリア様には感謝してるわ。だけどリビングドール計画は間違っている。妹さん(アミィ)をあんな風にされて本当にいいの!?」

リビングドールで思い浮かぶのは、本編PVの「死せる生者を追放し、生ける死者を守るのか」という言葉。
これ、魔鏡結晶の中で生き続けるイクスのことを言ってんのかなーとも思っていたんですが、少なくとも、「リビングドール」もこれにあたるんだろうなと思った。
リビングドール……人形っていうのは「生きてない」モノだから、それを「生きてる」と言うだけでアイロニーなんだけど、レイズの文脈では「死者の具現化計画」ってことなのかな。

死者の具現化の際に正しい手法としては「その人が死ぬ前の時間にアクセスして具現化させる」になると思う。でもミトスやルビアの様子を見ていると、そうは出来なかったみたい。
「妹さんをあんな風にされて本当にいいの」という言葉から、何かひどいことをされている想像はつくけど、でも、みんな普通そうなんだよね。
「マーテルさんが捜していたよ」「マーテルもノイシュも心配してる」「救世軍の様子を見に行こうとするリヒターをアステルが止めていた」とか、全然ふつうに、その人の復活を願った人たちと接している。まだアミィしか出てないけど、見た目もふつうだった。

ぐちゃぐちゃな外見で具現化したわけでも、精神がおかしくなっているわけでもない。ってことはやはり、その「存在としての性質が異常」というわけで。
具体的にいうと「魂も見た目もアミィだけど、それを構成している物質はかつてティル・ナ・ノーグで消滅した人たち(金色の砂)を寄せ集めたもの」とか「金色の砂を寄せ集めて人のかたちをつくり、そこにアミィの魂と外見だけを映し出した」とかそういう感じになるのではと思う。死者のうえに死者を上書きするようなイメージ。リサイクルだし、フランケンシュタインの怪物だし。

到底、素直に受け容れられない、騙されたような気分になるようなモノなのでは。それがリビングドール計画なんじゃないの。

メルクリアの性格についてもよくわからないけど、ひとつ個人的に気になるセリフがあって。2部の1章にて。

ミトス「フィリップ――じゃなくて、ジュニアって呼べばいいんだっけ?」
ジュニア「フィリップって奴が三人もいるから混乱するって、メルクリアが……」
ミトス「(中略)でもいいの?自分の名前を変えられて」

この「自分の名前を勝手に変えられていいの?」って発言についてははじめて読んだときからずっとひっかかっていて。当時はただの愛称じゃん?とも思ったんだけど、おそらくミトスが言いたいのは「あいつは人間の命を軽視している」ということなのでは、とリビングドール計画という言葉を聞いてから思いました。

これはさ、10章で過去のベルベットが登場したときに、今のベルベットから「紛らわしいから。あいつのことは今後、『復讐鬼』と呼ぶ」と言われて、彼女だってひとりのベルベットなんだからそんなふうに呼ぶのは……と躊躇したイクスやスレイたちと決定的に違う。
呼び方だって大切な名前の一つなのだから、それを「じゃあ面倒だからジュニアで」って決めるのは、完全に、「フィリップの三人目」としか思ってないってことだよね。個として認めてないんだよ。だから誰かを生き返らせようとしたときも「中身とか見た目が同じならあとはなんでもいいじゃん」みたいに済ませていそうな気がしました。
メルクリアの性格ぜんぜんわからないから想像ですが、どうでしょうか。

ナーザ、彼の由来について

さて、帝国側が死者の具現化やリビングドール計画を進めていることを踏まえると、イクス?くんあらためナーザ将軍についても、同じことがいえてしまうのではないかという問題が浮上してきました。彼もまたリビングドールなのではないかと。

ナーザはラタトスクを見たときに「……あいつがラタトスクか。反吐が出るほどよく似てやがる」と言う。ラタとアステルの外見が似てるってことだけど、反吐が出そうになるのは自分ともその成り立ちが似ているからってことなんだろうなと思う。
二つの人格があって、姿は本当は他人のもので……ってエミルも相当ややこしいのだけど、メルクリアのやってきたことから考えるとやはり「死んだイクスを不自然なかたちで復活させた存在」ということになるのかなあ。だとすると自分と同じ顔をしたイクスとか、自分を見て毎回同じように驚くミリーナ陣営とか、そりゃ虫唾が走るよね。
ナーザという名前も、漁師の神からとったのではといわれているけど、それも元漁師のイクスに繋がっているから、本人は気に入っていないだろうなと思う。

そうなるとシンクがこの世界にいる意味がまた重要になってくるわけで。
彼も同じような境遇なのだから。誰かの代わり、誰かから生み出された存在、あたりまえの生を受けていない……
個人的には、シンク、マーク、ファントム、ナーザあたりはまとめて「自分の生に疑問を抱き世界を憎悪する組」だと思っています。マークはそこまでいかないだろうけど、本質的には同じってことで。

どうでもいいけどレイズ2部は反吐が出そうなやつが多くて面白いな(ナーザ、ミトス)。つぎは誰が反吐はくんだろう笑

いつも本当に面白いシナリオで感心してしまいます。さては運営さん相当なテイルズファンだな!?(知ってる)
続きと、スパーダくんお待ちしております!

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