二月の星のうえ

テイルズが好きです。ほぼネタバレに配慮していない個人的な感想です。

【TOtR】レイズ2部8章考察。幸福な錯覚

テイルズオブザレイズ ミラージュプリズン8章『争乱に抗う少年と苦境に立ち向かうソーマ使い』が配信されましたので感想です。

今回は、7章の裏でクラトスやマークたちがどういう動きをしていたか、みたいな内容で、メルクリアの歪んだ幼さやナーザの企みについて少し明らかになりました。

前章からそうですが、とにかくミトスやクラトスについてかなり深く掘り下げられていて、もう最後の方のミトスがほんとにさ~~~素直で健気で大事な人を助けたい普通の少年になっていて、胸が苦しかったです。ほんと8章はミトスにボイス付けて欲しい……正しいやり方ではなかったかもしれないけど、生きていた頃のマーテルを具現化できて、ミトスは長い間縛られていた目的を達成してしまった、だからこそ「自分が悪かった」と言えたり姉さま以外の別の誰かも救いたいと思えるようになったのかなと思った。テイステのアッシュもそうだったけど、元の世界での憂慮や様々なしがらみがここではなくなり心に余裕が出来たから、周りの人への接し方も変わったのではないかなと思う。極端な生き方しか出来なかった人々にやり直しをさせてくれるから、レイズ世界は優しいよね。まあ今度はクラトスがピンチになったけど、ロイドがいるし全然大丈夫という気がする(ロイドすごい)。それか、ユアンを連れてきてもう一度マナ分けさせればいいじゃない~~~。いや冗談抜きでマーテル、ミトス、クラトスが生きている世界にユアン様もいたら夢が叶いすぎて本当に嬉しいのでマジで具現化して欲しいです。

あと、現在までのレイズキャラ中心の人物相関図を再掲します。

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フィルとミリーナ

終盤で合流し戦闘に出たフィルの「すまなかった、ミリーナ。後でちゃんと話をするよ」という発言の意図がよくわからなかったからそのためだけに作ったので読まなくてもいいですが、7・8章のおさらいにどうぞ。

7章 8章
ミリーナ陣営、救世軍と落ち合う  
アミィの治療にあたり、ソーマをもつシングの協力を得るためチェスターと救世軍メンバーは帝国へ潜入  
ゼロスがチェスターをお姫様抱っこして一瞬戻ってくる。マークを連れてまた帝国へ  
アミィの治療が上手くいったことを通信。イクスの声が混線(フィル⇔マークら)  
ミリーナ、コーキス、ロイドらは、イクスが閉じ込められている魔鏡結晶の近くまで行くため、セールンド城カレイドスコープの間へ向かう マーク、ゼロス、クラトス、シンクは、コーキスらと合流するため、セールンドへ向かう
カイウス、アステルとヒルダからの情報(マーテルの居場所・心核を抜き出されているかもしれないこと)をミトスに伝える クラトスら、カイウスからの魔鏡通信で、ミトスがセールンドへ向かったことを知り、マーテルの情報は罠なのでは?と疑念を抱く
  マーテルのことで懸念があるため、ミリーナたちとは合流せず独自にセールンドを調査することに(フィルにのみ連絡)
  ミトスの裏切りを聞いたメルクリアがセールンドへ向かう
  シングが牢にてミラと出会う
  シング、ルビアと牢を脱出しカイウスと合流。ミラとリヒターは残る
  マークとシンクでセールンド城を偵察し、ナーザがいることを確認
  ナーザが気にしている素振りがあったため、クラトスはキラル純結晶精製所へ向かう
ミリーナらは、ミトスと遭遇(城にはマーテルの体はなく、心核(実はコハクのもの)のみ回収した)  
ナーザが登場・戦闘  
メルクリアが登場・ナーザを連れて消える  
救世軍からソーマの解析に人手が必要との連絡を受け、ミリーナらは一旦アジトへ戻る  
キラル純結晶精製所にマーテルがいることをイクスがサーチし、ミトスらはそこへ向かう  
  クラトスとバルバトスが戦闘。ゼロス、シンクが合流
ミトスら、ナーザと戦闘 カイウスとシング、フィリップと合流
ミトスをかばってマーテルが重症を負う クラトスらがコーキスたちに合流。クラトスは重症のマーテルにマナを分け与え倒れる
  チーグルがナーザを回収して逃走
  フィリップ、マーク、シング、カイウスが合流。光魔を掃討
  ケリュケイオンに戻ってスピルリンク

う~んつまりフィルは「ミリーナたちと合流する予定だったマークたちに勝手な行動を許し、結果、危険な目に遭わせてすまない」ってことを言いたかったのかな。そのあとに「これまでの救世軍側の動きを説明するよ」とも言ってたし。でも、だとしたらあんな意味深な演出する必要はなかったと思う(むしろ7章で顔合わせたときにやってくれ)けど、フィルとミリーナが一緒に映ってるだけで嬉しいからありがとうございました。

今回のマークとフィリップたちが合流したシーンはほんと熱い展開すぎてうわわわわわ~~~~wってなってしまった。マークの主人公感すごいです。普段から戦闘での指示はマークが出してるんだろうなって思ってたけど、フィルも先頭に立っていたので驚きました。なんかフィルはついこの間まで具合悪くて動けないみたいな感じだったのにずいぶん元気になったよね。若いときのミリーナがそばにいるから頑張っちゃってるのかな……^^ω

メルクリアとナーザ

7章でバルドが「何故このように歪んでしまわれたのか。我々の誰かが生きてお側に仕えることができていれば……このようなことには……」と発言。
これはつまり、ビフレストの王族に近しい人間はこれまで誰も生きてメルクリアの側にいなかったということなので、やっぱり育ての親はデミトリアスになるのか。
以下、メルクリアの印象について整理しました。 

発言者 台詞
1部13章 デミトリアス (アルヴィンは用済み、という話の流れ)「それにアルヴィンだってメルクリアに良くしてくれていたし」
※アルヴィンからメルクリアに対する発言はこれまで無し
1部14章 カイウス、シング 「やっぱりメルクリアの鏡を使おう、シング」
「ああ。ここでもたついてたらメルクリアとフレンに合流できなくなる」
※まだメルクリアを信用している感じがあるので、この頃はフレンもリビングドールにされていない?
2部1章 ジュニア ミトス 「ミトスはメルクリアが嫌いなの?」
「(自分を見ているようで……反吐が出る。なんて言ったら、ボクはボクであることをやめることになる)」
2部2章 ルビア 「ルカたちはメルクリアに気を付けて」
「メルクリア様には感謝してるわ。だけどリビングドール計画は間違ってる」
2部5章 チェスター 「そもそもこの計画(リビングドール)を発案したのはビフレスト皇国の皇族の生き残りであるメルクリア皇女だ」 「オレが聞いた話だと、メルクリアは終戦の時に人質としてセールンドに連れてこられたらしいな。それでデミトリアスが親代わりに育てていたって話だ」
チェスターの話を整理するリフィル「メルクリアはファントムの仲間として救世軍に接触した。その後、何らかの理由でファントムを切り捨てると決めて、救世軍を掌握し『ファントム封印計画』に加担した」
※人質としてセールンドに来たらしいがミリーナが所持しているゲフィオンの記憶にはその情報がない
2部5章 セシリィ 「あの方――あの人はとても無邪気な人で、無邪気だから残酷で」
2部6章 リヒター 「貴様(デミトリアス)はメルクリアに甘すぎる」
2部6章 カイウス 「なあ、ミトス。この世界でオレのレイモーン……獣人の姿を認めてくれたのはお前とメルクリアが最初だっただろ!?」
2部6章 シング、ミトス 「(コハクを助けると言ったのに騙されていた。)メルクリアの言ってたことは全部嘘だったのか……?」
「全部嘘……とはいえないかもね。あの通りのお嬢様だから。でも隠していることはある。……もっともボクも同じことをされた訳だけどね。姉さまには手を出させないって約束だったのに」
2部6章 カイウス 「メルクリアの奴、どうしてこんなことを。フレンをリビングドールにしたのも信じられなかったし……。あいつ、変わっちまったのかな」
2部7章 カイウス、ミトス 「メルクリアには言葉が通じないんだ。何を話しても、穴のあいたバケツに水を汲むみたいで」
「言葉の通じないお姫様」

 

カイウスやミトスの印象では、1部以前は、獣人やハーフエルフを認め、居場所を追われた者たちの共感者であり庇護者でもあった様子でした。でもそれが2部になって急激に変化したらしい。リビングドールを作り、約束を破り、こちらの意見はまったく聞き入れない。1部と2部では1ヶ月程度の期間があいているので、その間に彼女を変える出来事があったのかもしれない。
最新章の流れからすると、2部以降はナーザが裏で彼女を動かしているようだったけど、それは神降ろしを中止させることに限った話なのか、今の歪んだ幼さまで形成させたのかどうかはよくわからない。
しかし、もともと彼女はファントムや救世軍も利用するつもりだったし、やっぱり1部の頃からただの子どもとは思えない面もある。リビングドールについても、拒絶感はまったくなく、一度体を空にして他人に明け渡したとしてもあとでもとに戻せば別にいいではないか、という倫理観。これも昔からなのだとしたら、やっぱり幼い頃からリビングドールに慣れていたのか……?
(世界のすべてはレプリカで替えられるものだと思っていて人の死を理解できない面があったジェイドに似ている感じがする)

また、ミリーナが持っているゲフィオンの記憶にはメルクリアのことが何も記録されていなかったけれど、魔鏡結晶の中にいたゲフィオンはメルクリアがやばい奴であることを知っていたようだったし、まだまだわからないことだらけである。。

分史ミラの用途

デミトリアスらは当初、鏡映点の体にダーナ神をおろす「神降ろし」に力を入れていたけれど、なかなか上手くいかないため、今度は「ダーナの巫女」(ヨーランド)そのものを探してくることに方針転換しました。その流れで、「アイフリードが精霊の封印地なる場所でオリジンと共にダーナの巫女を守っている。精霊の封印地が存在しているなら、サレとハスタが回収してきた空っぽのマクスウェルが役に立つ」という話が6章であり、今回でそれは分史ミラのことだと判明ました。
デミトリアスらが分史ミラを捕らえたのは、恐らく「ダーナの巫女の封印地へ導いてくれるもの・ダーナの巫女の封印を解くもの」として利用できるからということになると思う。この世界の精霊は本来「ダーナの巫女の目覚めとともに目覚める」とされていたけれど、精霊だけ先に起きてきている状況なので、この際精霊の主であるマクスウェルの力で他の精霊も召喚したり目覚めさせようとしているのかなと思った。

でも原作での分史ミラは、使命を終えてマクスウェルとしての力を失っており、四大精霊の召喚もできなくなっている。分史ミラ自体には、帝国側が求めている能力はないのかもしれない。「空のマクスウェル」「マクスウェルの抜け殻」としてどう役に立つのかはまだよくわからない。 

また、これに関連してレイズオリジナルの設定「精霊装」がいくつか出たので整理。

・傷ついたミラを見て、ルビアは帝国が施した「精霊装」を使って回復させた
・危険な技術だったらしく、ルビアは衰弱する
・ルビアはこの世界のマクスウェルを「纏わされて」しまった
・牢にいたルビアからは、マクスウェルの指輪が外されていた 

指輪といえば精霊との「契約の指輪」なんだろうから、マクスウェルと契約するための指輪だと思うけど、それを使って精霊を纏う・装う、というまったく新しい概念が出ました。リビングドールともラムダの特性とも違うし、どうなるんだこれ。

もしくはこういう予想はいかがでしょうか。

ラムダについて

帝国側は、暴れるラムダを抑えるために、宿主のルキウスごと眠らせているようです。ちなみにルキウスはリビングドールにされているわけではなく、ラムダが憑依している(もともとラムダは他者に憑依する性質)だけのはず。だからバルドは「フレン(リビングドール)のようにはしたくないだろう」と言うわけです。
「ゆくゆくはラムダが望む体を用意してやるつもり」とメルクリアが言っているけど、ラムダが望む体って、つまりアスベルのことなんだろうか。彼は、自分の中にラムダがいないことをエンコードの影響だと納得したような素振りがあったけど、まだアスベルたちは系譜編から来てるのかどうかよくわからないんだよな。
ところで帝国側にはリチャードもいるから、リチャードにラムダを取り憑かせればよかったのでは?とも思う。ほら、長い付き合いだし……。というかリチャードにラムダが取り憑いてる状態で具現化されてそこから分離されたのか?でもそうするとアスベルのラムダはどこへ行ったのかという疑問もある(系譜編なら)。まだよくわからないことが多いです。
今リチャードの中にいる「チーグル」は、ウォーデンが身分の高い者だと知っていたので、恐らくビフレストの関係者である。その自称「高貴な北方の虎」「チーグル」が、タイガーフェスティバル兄貴ことリチャードの体を気に入ってしまいリビングドールにしたためにラムダの行き先がなくなったとかだったら笑う。 

バルバトスについて

倒したあとに「くっ、この程度の輩に……やはりまだ馴染まぬのか」って言ってるのが気になりました。
普通に具現化された鏡映点たちは、能力がエンコードされて多少もとの世界との違いはあれど、普通に戦う分には差し支えない程度な様子。
能力が明らかに劣化したり、思い通りに動けないとか言ってるのは、リビングドールであるナーザくらい。

・ナーザ「……まだ体が上手く動かないな。だが――準備運動としては十分だった」
・セシリィ「(ナーザの中身であるウォーデンが)イクスさんのご遺体を奪っているのなら本来の力は出せない筈」

遺体じゃなければ(セシリィとか)本来の力が出るかどうかは不明だけど、普通に考えれば他人の体で本来の出力がだせるとは思えないんだよな。
バルバトス加入イベントでめちゃくちゃ怒ってて最後には救世軍側についたし、あれは自分がリビングドールにされていたことに対して怒っていてディムロスとかに八つ当たりしてたのかもな~~~と思った。

仮面のうらがわ

最後にシンクのことだけど。以下アビスのネタバレです。
「ボクが仮面を外したらボクと同じ世界から来た連中がどんな顔をするか楽しみすぎてゾクゾクするよ」という発言で、シンクがどの時期から具現化されたのかが確定できなくなりました。アビスの他のメンバーはエルドラント突入直前なのでシンクもそうだと思っていたんだけど、実際いつなのかははっきりと言われてないんだよね。
まあ顔を見られる前か後のほぼ2択なんだけど、時期によってはこの発言の意図がまったく変わってきます。 

①地核突入作戦以前。まだルークたちに顔を見られていない時期
上記の発言をそのままの意味で解釈するとこれになる。イオンと同じボクの顔を見て、ボクがレプリカであることを知ったら驚くだろうね、どんな顔するか見てみたいよみたいなニュアンス。普通の性格悪い発言。

②レプリカ編。シンクがレプリカであることをルークたちも知っていて、イオンがまだ生きている時期
この世界にはイオンはいないのに、イオンと同じ顔があったら嫌な感じだろ、みたいなニュアンス。やっぱり性格は悪い。でもこの時期だと、元の世界だと地核突入後にシンクと会っていないのでアビスメンバーと会ったときに「シンク……。やはり生きていたのか」みたいになる。

③レプリカ編。シンクがレプリカであることをルークたちも知っていて、イオンが死んでいる時期
この世界にも元の世界にもイオンはいないのに、代替品にすらならないボクがイオンと同じ顔してるなんて、見てると嫌になるだろ、死んだイオンのこともっと思い出せよみたいなものすごい(とくにアニスへの)嫌がらせな感じ。

これまでのレイズでの発言「(死に損ないはボクも同じだけどね)」とか「新生救世軍の門出だ!」←「新生……ね」から、一度地核に落ちているレプリカ編のシンクで、新生ローレライ教団のことを思い出しているのかと思っていたけど、シンクは生まれたばかりの頃に火山に廃棄されたから①の場合もそれを指して「死に損ない」と言っているのかもしれない。
正解はまだ出すことはできないけれど、個人的には、自分を犠牲にする作戦に参加し、自ら地核へ飛び降り、最後まで使い捨てとして生き死んでいこうとしたシンクにこそ、この世界で生きてみて欲しい。だから、このシンクはレプリカ編のシンクであって欲しいんだよね。他人を助けに向かったり、お人好しみたいなこともしちゃう自分を自分で嘲笑いながらも、今までとはどこか違う自分を軽やかに生きて欲しい。アビスチームに嫌がらせもして毒を吐きながら、シンクらしく。もうほんとそれだけです。

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