二月の星のうえ

テイルズが好きです。ほぼネタバレに配慮していない個人的な感想です。

【TOtR】レイズ3部1章考察。本編開始前の年表と時系列再考

テイルズオブザレイズ 3部 新編フェアリーズレクイエム 第1章『暗躍する黒き仮面の男』が配信されましたので感想です。

現実での時間の流れと同様1年もの間不在だったイクスを救い出し、明るさを取り戻したミリーナたちの笑顔がほんとに輝いていました。イクスがかっこよくてめちゃくちゃ満足です。フルボイスシナリオもありがとうございました。やっとフィリップが喋ってくれてめちゃくちゃ最高だった。新規収録したということは実装も目前ですね!!?!???でも、ううっ、あと1話早く出てたらガイにも声がついたのに……けどOPに出してもらえて嬉しかったです。DEENさんの曲めちゃくちゃ良いほんとに良いソフィとリチャードのところの進行がエモすぎて胸がぎゅっとなる……。あーあとアイゼンの声が聞いたことないくらい優しくて最高でした。ありがとうございました。ユアン様も待ってるよ……!!!!

1章の内容は、これまでのお話のおさらいと魔鏡術に関する新たな設定などがほとんどでしたが、正直私には相当難しかったです。一発でこれ理解できる人いたらすごいな~…

ティル・ナ・ノーグ再誕史再考

それで、1部の頃からず~~~~っと納得できなかった本編開始前までの時系列について新たな言及があったので、真面目に考え直してみました。
結論としては、1部のゲフィオンの台詞を無視したらあらゆる矛盾が解消されてしまったんですけど。

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この年表は、3部1章と、2部5章ジェイドの台詞「終戦後、死の砂嵐が発生してから二人目のイクスとミリーナを具現化するまで十年ほどの時間を費やしたそうですね」を元に作成しています。ちなみに「一度目の世界」と仮定したものを、デミトリアスは「ニーベルング」と呼んでいるっぽい。そしてそれはウォーデンの姓と同じ名称です。。北欧神話多いな~

なお、本編開始前の時期への言及は下記のとおり1部14章にもあるのですが、今までこの台詞のせいでど~~~しても矛盾してしまう(そのうち修正されるだろうと思って何回も読みにいってたくらい)ので、すまんが無視しています。 

フィリップ「イクスの形見の魔境に、古のビクエの魔鏡を重ねても、一年前が限界だ。これ以上過去へは遡れない。仮にできたとしても、現在との距離が遠いほど具現化のダメージが酷くなる。残されたこの世界まで引き裂かれるぞ」

フィリップ「範囲を狭めれば十年前からでも具現化できると思うんだ。だから世界は一年前から、オーデンセだけは十年前から具現化すればいい。でもイクスの傍にはミリーナが必要だろう?」

ゲフィオン「いくつかの実験の後、私は…私の歪んだ思いを現実にした。過去から甦らせた新生ティル・ナ・ノーグに、十年前――今現在からは二十年前の時代からイクスやオーデンセの人々を甦らせたのだ

ちなみに1部終章当時に作成した年表はこちらです。

過去の話題はこれが初出だったので、これこそが真実だと思ってずっと前提に考えていたので無視するのつらいんだけど、何百回読んでも「1部から十年前の、ゲフィオンが27歳のときに、その時点から十年前の時代(1部から二十年前)の17歳のイクスを具現化させた」としか読めないんだよね……。
そうすると、具現化された17歳のまま本編開始まで十年もイクスが歳とってないのがおかしい、でもそもそも「遡れる時間は範囲を狭めても十年までが限界」って言ってるからやっぱ十年前の時点で具現化するしかないよな……まあ矛盾があることはわかってるけど提示された設定からはそうとしか読めないし、う~ん……と思ってたら3部でいきなり「自分たちの記憶を経由する具現化を開発したんだ。これで十年の壁を突破した」とか言われて、さすがには????え!!!???って感じだったよ。突破()とは。

記憶を経由して具現化する技術自体は、ファントムがチェスターの心をサーチしてその記憶からアミィをみつけて具現化していたし、もともとあったわけだけどさあ~、それ先に言ってくれなきゃ妄想でもない限り「遡れるのは十年が限界」っていう前提のもとで読むでしょ普通……まじで途中で設定変わったか矛盾してることにあとから気付いて突破したんじゃねと思っちゃう……

けど3部で説明された内容は、1部14章の台詞を無視すれば他の情報ともすべて整合性があるので、突破してくれたおかげで自分の中で1年にも及んだ謎が解決できたけど……すっきりしないから本当に1部14章修正してほしい。そうじゃなきゃゲフィオン様の記憶もミリーナと同じで曖昧なところがあったんだろうよとしか言えないので……

ところで、ずっとなんとなく世界全体を一気に具現化したような印象だったので、少しずつ進めて完了まで8年もかかったってのはけっこう意外でした。1部終章でファントムが「お前たちが守ろうとしているのはつぎはぎの幻」って言ってたけど、確かにそうだったんだな~と思った。

フィリップとリアライザー

今の三人目のイクスが具現化されてから、今回初めて一人目のフィリップと対面しました。
でも初っ端から「僕が知ってるイクスによく似ていたから…」「僕のことはフィルでいい」と、なんだか一人目のことばかりチラつかせてしまい、マークから「具現化されたもう一つの可能性でリアライザーなんだって言ってなかったか? 混同するなって言っておきながら、お前、イクスに一人目と同じ対応してくれってのはおかしいんじゃねえの?」とどストレートに指摘されてしまう始末……。

もちろんイクスもフィルのことをまったく知らない訳ではないけれど、大人になったフィルとちゃんと会うのは”生まれて”初めてでした。
ちなみに2部7章でも、彼は二人目のミリーナと初めて顔を合わせたときに「…久しぶり、だね」と発言していて。さんざん「ミリーナとゲフィオンは違う人間だよ」「別の道を歩いて欲しい」と言いながらも、いざ会ったら(記憶の中ではお互いを知っているけれど、このミリーナとの連続性はなく本当に初めて会うのに)「久しぶり、だね」って言っちゃうフィルさんもうどうしようもなさすぎてほんと無理好き……と思ったんだけどさ。

以前シンクに、ミリーナについて「直接会うのが怖いんだろ? 口ではそんな風に言っててもミリーナとゲフィオンを同一視してるんだよ、アンタは」と言われていたけれど、フィリップは、本当にイクスとミリーナのことぜんぜん区別できてないよね。
「僕が一番割り切れていなかったのか。すまない。わかっていた筈なのにな…」って言うし、意識して区別する努力はしているんだろうけど、いざ、っていう場面でもうぜんぜんダメなんだもんな。

でも、仮にもしゲフィオンや一人目のイクスが生きてここにいたとしたら、彼らは具現化体を混同せずにいられるんだろうか。……きっと出来ないよね。だって”一人目”は、幼馴染の頃はお互いをそんなふうに見たことなんて一度もなかったし、「甦らせたい」という思いから具現化した相手をわざわざ別の個人として見做そうとはむしろ考えないと思うんだよね。そう、むしろ一人目と同じように愛そうとするんじゃないのかなあ。

「(とくに)二人目のミリーナは、罪を犯した一人目のミリーナとは違う可能性を持つ人だ」と考えてリアライザーなどと後から表現して区別しようとしただけであって、心情的に、とくに一人目の人たち自身がうまく区別できないのは当然だと思うんだよね。だからそういう人間らしさが表れてる中年おじさんがとっても好きです。

一方でフィリップのヤバイところの一つに「自分の具現化体についてだけは未練の欠片もなく完全に割り切っている」というのがある。1部終章でファントムを切り捨て、2部終章でジュニアを切り捨てたあれです。

でもまあ言ってしまえば、彼の具現化体は、「実験のため」「ファントムを止めるため」という目的のために作られた手段で駒に過ぎないので、そういう割り切り方が出来ているのかもしれない。
けどそうはいっても彼らも「自分」には違いないのに、どうしてそこまで簡単に捨てられるのか……っていうと、フィリップは「イクスとミリーナのために世界を救う(自分のことは必ずしも含まなくていい)」ことしか考えていないのと、あとは恐らく単純に自己肯定感が低いのだけど、その理由は十中八九イクスにある、と推測できることもヤバイ。

フィリップは世界最高の鏡士であるビクエであり顔も綺麗だし声も阿部敦だし、これ以上ないくらいのスペックがあるはずなのに、昔からイクスに憧れて嫉妬していました。
イクスは、フィルにないものを独占している。イクスの魔鏡は、カレスコやアイギスの元になった唯一無二のもの。駒として自身を具現化してしまえるような自分とは存在価値が違う。それに加え、ミリーナの愛情が彼一人にしか向けられていないというのが決定的で、いくら自分の能力が高くても自分を肯定できない半生だったのだと思う。

で、3部で再会(とフィルは考えている)したイクスは、背も伸びて(恐らくフィルを抜いている)、ずっと強くなっていて、ほんとフィルの内心は(それこそ自分で気付いていない深層心理の方は)穏やかではなかったんだろうなーと思います。
強すぎる力で仮想鏡界ごと現実に具現化してしまったときに「…脱帽するよ。こんなこと…僕にもできない」と言ったフィルはもう完全に敗北したって感じで、ほんとにしんどかった。
鏡士としての能力さえ上回られたら、あと他に何で勝負できるのっていう……
自分が彼らにしてあげようとしてることなんてちっぽけすぎて、彼らには必要ないのでは?とかいう結論にまで行き着いてほんとに生きる意味失くしかねませんかねぇ彼……

17歳のイクス???

魔鏡結晶から救出されたイクスは、髪が伸びていただけでなく、身長も急激に伸びていました。
(ちなみに公式サイトによると、1部のイクスの身長は178cmで、22歳のイクスの状態と同じであるナーザは180cmとされており、3部イクスはひょっとするとナーザよりも高くなっているような印象を受けました。でもフィルの知ってるイクスに似てるから、22歳までのどこかの時点のイクスって感じになるのかな)

魔鏡結晶の中には時間経過がないはずなので単に成長しているわけではないようですが、この変化は何なのか。
2部1章で魔鏡結晶の中のイクスを見たミリーナが「髪は少し伸び始めているけど、排泄が行われていない。単に時間が経過しているんじゃないと思う。この中のイクスに魔鏡に映された未来や過去のイクスが重なって見えているんだと思うわ」と言っていたので、まあそういうことなんだろうなと今のところは思います。17歳のイクスに、未来のイクスの姿が重なったまま外に出てきた、という感じになるんでしょうか。

ただ、「イクス」という存在の22歳より先の未来は死亡により消失していて元より「無い」はずなので、ナーザとは違う、三人目のイクスの未来を映し出しているということになるのかな。つまりこの世界が、元の自分と違う道を歩む自分の可能性“リアライザー”の存在を元の自分とは別個体として認知した……って感じになったのかも。

ところで、見た目が変わっただけで、イクスの記憶には何も影響がなさそうです。
仮想鏡界ごと具現化した際、「フィルが協力してくれたからじゃないのか? 俺一人の力でこんなことできる訳ないし」と言っていました。
そう、できる訳ない、17歳のイクスのままなら。自分でそう思うわけだから、記憶や認知にはなんら変化はないようなんだよね。
たとえばゲフィオンの記憶を取り戻したミリーナは、ゲフィオンの知識を受けていままで使いこなせなかった魔鏡術を使えるようになりましたが、このイクスは未来の記憶はなくとも出力がかなり上がってる。これなんでなんだろうね。このイクスの未来はこれから先に起こることだから、まだ「記憶」は存在しないし、可能性だけ先取りしたということなのかな。
そうなるとイクスの未来は、規格外の出力持った最強のゴリラ鏡士みたいになりますけど…… 

ヴィクトルとミラ

まず分史ミラは、この世界では殺されているマクスウェルの代わりとして帝国に具現化され捕らえられていましたが、2部11章でヴィクトルがミラについて「安心しろ、もう助け出してある」と言い、彼によって救出されたことがわかりました。
その後、デミトリアスは空のマクスウェルを捕えるために精霊の封印地へ赴いたが、捕獲できずに戻ってきた。精霊の封印地で倒れていたヴィクトルは、「…助かった、のか?」「(…せめてここでなら、救えると思ったのに)」「――待っていてくれ、ミラ」とスピルーンみたいなものの方を向いて言う。
同時期に、精霊の封印地に安置されている世界の心そのものであるダーナ神の心核が破損した影響で、世界とつながる仮想鏡界が不安定になり、さらにマクスウェルの残滓が流入してきた、とのこと。
また、OPの映像では、分史ミラが恐らくダーナの心核であるスピルーンみたいなものと融合しており、ヴィクトルは「ミラが…自分の命と引き換えにこの世界を支えてくれている」と言っている。

これらの断片から、「精霊の封印地にて、破損したダーナ神の心核を補強し世界を支えるため、分史ミラは精霊装とかでマクスウェルをどうにかしたうえで心核に融合、デミトリアスはそこから彼女を取り出すことが出来ずに帰った、その際にヴィクトルとデミトリアスで戦闘になった?」のかな~とか思いました。ヴィクトルに大怪我負わせたのがデミトリアスだとすると相当強いんだろうな……

うん、で、まあ、ヴィクトルが「せめてここでなら、救えると思ったのに」と言ったということは、ルドガーと同じように分史ミラの手を離してしまったのかまた別の経験なのかはわからないけど、正史世界とほぼ同じ道を辿っていたヴィクトルの世界でもやはり「ミラを救えなかった経験がある」ということで……ここにいる分史ミラは、ルドガーの知っている分史ミラなのか、ヴィクトルの知っているどこかのミラと同一人物なのかどうかとかわからないけど無限にしんどいなこれみんなX2やり直そう……

レイズくん3部も楽しくやっていきたいと思います。今後ともよろしくおねがいします。 

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