二月の星のうえ

テイルズが好きです。ほぼネタバレに配慮していない個人的な感想です。

【TOtR】レイズ3部14章考察。優しいだけの毒物

テイルズオブザレイズ 3部第14章『復活の焔』が配信されましたので感想です。
マルタがいい女だったしリヒターさんの立ち位置が他の鏡映点とずいぶん違うことにもなってきたので、ラタトスクやりなおしたくなりました。

鏡精殺しについて

今回、メルクリアが鏡精を具現化していました。オーデンセの鏡士じゃなくても鏡士なら誰でも鏡精をつくれることがわかったので、オーデンセの鏡士もビフレストの鏡士もダーナの鏡精(ヨーランドとか)の子孫という源流は同じなんだろうな。
「鏡士は鏡精を切り離すときに、鏡精に関する記憶も一緒に切り離す。そうしないと何度も鏡精を生み出しては殺すことに耐えられない」という説明が以前なされていましたが、鏡精を切り離さないまま殺してしまった場合の実例を見ることになるとは思いませんでした。
鏡精は鏡士の心を映したような存在ですから、鏡精殺しは、自分の心を自ら切り裂き自身の断末魔を聞くような感覚になるんだろうかね……レイズはやっぱ地獄……

おかしくなってしまったメルクリアは、回復させてあげられるんでしょうか。
精神的に"心が壊れた"んだとしたら、心核に異常があるとかいうわけではないからスピルリンクしても駄目な気がするし……死鏡精に詳しいらしいゲフィオンだったら、対処方法がわかったりするのかな。

死んでしまった鏡精モリアンの怨嗟が、死鏡精として形をなして再登場するみたいな展開も今後あるのではと思ってるんですけど、それもまたメルクリアの手で殺さなくちゃいけなくなるとしたら本当に地獄のようなシナリオだな。

あと、鏡精たちにはケルト神話の女神の名前が付けられているのでは?という、ネヴァン登場時からの予想が当たってそうで嬉しかったです。

鏡の国のフォミクリー

グラスティンたちによるフォミクリーの使い方が、原作アビスがかわいく思えるくらい、吐き気をもよおす邪悪でしたッ。

・イクスの遺体の増殖(遺体の破損はレプリカ情報を抜いたことによるものか別の影響かはよくわからない)
・光魔(もとはゲフィオンのカレスコにより消滅したティル・ナ・ノーグに存在していたあらゆる生命体=死者の集合体)の増殖
・あと恐らくあの場にいたレプリカ帝国兵(話し方が機械的なため)

死者を愚弄するなってレベルじゃねえ~~死体蹴りカーニバル
善悪の判断基準がおかしい人たちにフォミクリーが渡った時点でこうなりそうな気はしていたけど、イクスの遺体のレプリカつくるところまで本当にやるとは……。
イクスはもうすでに三人いて具現化ではこれ以上イクスを増やせないから死体のレプリカをつくった、という、フォミクリーを「具現化による個数制限を多少劣化してでも無理矢理突破するための技術」にしているの、アイデアは自然だけど頭はおかしい笑 原作者が関わってでもないと怒られるだろってくらい地獄の使い方…

なお、「イクスの魔鏡は特別で、その魔鏡だけを具現化で増やそうとしても出来ない。イクスを具現化したときにだけイクスの魔鏡も増える」んですが、レプリカならイクスの魔鏡も増やせるのではないかと思います。
劣化はするだろうけど、イクスの死体レプリカもちゃんと機能しているみたいだし、数増やせば一時的な代替くらいの役割は果たせるのかな?しかしフォミクリー万能すぎるな?

ディスト博士がフォミクリーの使い方に頓着していなかったせい?か、笑っちゃうくらい倫理観無視で使われまくってますが、まあ手にした技術を使うなって言う方が難しいので、原作アビスの人々はフォミクリーに対しては崇高というかまだお上品だったんだな~~という感想。

デミトリアスの優しい毒

デミトリアスの言動については、作中でしばしば「優しい」と言われています。
確かに普段の物腰は穏やかで、グラスティンのような残虐さはなく、バルバトスのように終始暴力的でもありません。一見すると優しくてこちらの話も聞いて譲歩してくれるタイプなのですが、しかし彼の「優しさ」は、弱者に対する同情や哀れみのようなものでしかないんだと思います。
「世界のためにゲフィオンを犠牲にすることには消極的だった」、「フィルの願望を愚直に実行しようとするファントムには同情して力を貸した」、「母親が自害してしまったメルクリアを義理の娘として庇護した」。
どうもデミトリアスは、誰かを利用するために力を貸しているわけではないのですが、かと言って相手の立場に寄り添っているわけでもなく、ただ「弱くてみじめだから助けてあげている」という感じがします。
自分よりも相対的に弱い他者に優しくすることで、自分は正しいことをしていると錯覚していてる、それが正義だと信じているといった類でしょうか。
だから優しくする対象がコロコロ変わるんだろうな。今回メルクリアがひどいことされてるのに止めもしなかったのは、いま彼が優しくしようとしている対象が「この世界」とかに変わったせいじゃないかな。彼は「この世界を救済する」と本気で思っているみたいなので。確信犯だから、優しくする対象以外には平気で邪悪なこともするし、毒になることもする、みたいな。

この人ずっとよくわかんなかったんだけど、今のところの私の理解するデミトリアス像はそんな感じですね。

イクスという鏡士

イクス。お前は特別なんだ。お前が鏡士になるということは、世界の理を変えることになるかもしれない。私はお前を亡くしたくない。お前の父も母も同じだ。それでも鏡士になるというなら――

今回、一人目イクスの記憶が垣間見えました。
以前考えていたとおり、イクスが鏡士になるかならないかで、世界滅亡に関する予言が変わる(あるいは予言どおりになる)ということなんでしょうか。
そうなるとやはり「鏡士になれたら結婚して欲しい」というミリーナへのプロポーズはなかったことにする必要があったのかな、と思います。
この辺のことはこちらに書いています。

また、一人目イクスの遺体をみつけた後のミリーナがそれ以降ほとんど喋っていなかったのに対して、ネヴァンは「待ちなさい!私が許しません!」「イクス様ッ!」とイクス絡みのときのいつものミリーナみたいに声を荒げて感情的になっていたのが印象的でした。
ゲフィオンの影響を受けてネヴァンがイクスに好意をもっているらしいことは、三人目イクスにいちいちどぎまぎしている描写がある信頼度スキットや本編から察せられます。
しかしネヴァンにとって長い時間を一緒に過ごしたのは、他でもない「一人目のイクス」なので、その遺体を勝手に使われていることに対してひどく憤慨しているのかなと思いました。ミリーナは「記憶の中の一人目のイクスよりも今のイクスの方が鮮やかで今のイクスが大好き」って言ってたけど、ネヴァンにとっては一人目のイクスこそが鮮やかなイクスだったんだもんね……細かな描写ですが、ミリーナとネヴァンの想う人は「誰」なのか?がよくわかるシーンだと思いました。

「領主」「ルグの槍」「前世」についてもいろいろ考えてました。

クレストリアの配信予定もようやく発表されたのでプレイできるのを楽しみにしています。なんやかやあるけどクレストリアオリジナルのシナリオはとても楽しみ。

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