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二月の星のうえ

テイルズが好きです。ほぼネタバレに配慮していない感想です。

【ベルセリア】アルトリウスの誓約とは何だったのか。パーフェクトガイド考察

テイルズオブベルセリア アルトリウス 攻略本・書籍

テイルズ オブ ベルセリア パーフェクトガイド (11/18発売)にて、「考察・災禍と対魔士の世界」のページで「アルトリウスの誓約と対価」について触れられていました。

そこでは以下のように書かれています。

アルトリウスがカノヌシを制御するうえで行ったのは、理想の実現の日まで「己の絶望を強く封じる」誓約だ。この「対価」を得るために誓いにしたのが、「愛する義妹と義弟を犠牲にする」ことだった。家族としてベルベットやライフィセットを心から大切にしていたからこそ、理を超えた強い誓約が実現し、彼を冷徹な救世主として存在させたのである。
誓約で封じ続けた巨大な絶望はカノヌシの最後の贄としてカノヌシを神依する力となる。

これはゲーム中や他の書籍ではっきりと書かれていることではありませんが、以前の記事で書いたように、私もアルトリウスの誓約は「絶望を抑えること」だと思っていました。あらすじや発言内容からなんとなくそうであることは推測できるからです。

しかしアルトリウスの誓約がこのファミ通攻略本のとおりだとすると、他の重要な不確定要素にも影響が及ぶので、慎重に考えて欲しいなと思うのです。
とくに「愛する義妹と義弟を犠牲にする」を対価にするということが、アルトリウスの内面で何が起きていたのかを探る起点になります。

アルトリウスが誓約を課したのはいつなのか

アルトリウスが自身に誓約を課した、つまり「愛する義妹と義弟を犠牲にする」と決めたのはいつだったのでしょうか。
タイミングとしては次の二つのどちらかが考えられるのではないかと思います。

【1】10年前、セリカとお腹の子が死んだとき
【2】3年前、ベルベットが喰魔に適合したとき

そもそもなぜその誓約を立てたか、というと、「絶望を抑えるため(業魔化するのを防ぐため)」と「喰魔から絶望を得られなかった場合に、カノヌシに自身の絶望を喰わせるため」ということが考えられます。

絶望が心に生まれ始めたのはセリカが死んだときなので、単純に考えればその時点からの誓約ではないかと思われます。
しかしそれでは、10年前からベルベットとラフィを犠牲にすることを考えていたのか?という話になる。
偶然、二人を犠牲にする環境が整ったのではなく、本気で二人に死や憎悪や絶望を押し付けたということになってしまいます。

ゲームをプレイした人の感想を見てみると、
「アルトリウスはなぜベルベットの目の前でわかりやすくラフィを殺したのか(事故に見せかけることも可能だったのではないか)」
「なぜラフィはベルベットに『逃げて』と言ったのか」
「アルトリウスはベルベットも喰魔にするつもりだったのか」
といった疑問が散見されます。

3年前の緋の夜についてははっきりしていない点が多くあり、アルトリウスは最初からベルベットを喰魔にするつもりでラフィの死を見せつけ、憎悪と絶望を植え付けたのか、それとも、偶然ベルベットに目撃され、偶然喰魔に適合したため、殺さずに監獄島に捕らえたのか……この辺は人によって受け取りかたが様々なようです。

しかし、アルトリウスの誓約が10年前の時点からのものだったとすると、このどちらともいえない状況が確定されてしまいます。

つまり、アルトリウスはベルベットを犠牲にすることを対価としていたので、「ベルベットにも喰魔としての利用価値があると思っていた、はじめから絶望と憎悪を担う喰魔にするつもりだった」ということになる。

3年前の緋の夜、アルトリウスはラフィだけでなくベルベットも犠牲にするつもりだった、すべては彼女を喰魔にするための演出だったということが決定的になります。
アルトリウスはベルベットが純粋な感情の持ち主であることをよく知っており、喰魔の素質があることは見抜いていたはずなので、その状況に不思議はありません。

けれども、ベルベットまで犠牲にするということは、ラフィの「お姉ちゃんが幸せになれる世界を僕がつくる」という想いを完全に踏みにじることになります。
だから、プレイヤーとしては、アルトリウスにもラフィの願いを尊重する気持ちがあって、さすがにベルベットには手を出さないつもりだったのではないか、と思いたいですよね。ベルベットまで犠牲にしたのは事故というか偶然の悲劇だったのだろう、と。

しかもその場合、ラフィが生贄に志願したことさえも、当然アルトリウスがそうするよう仕向けたということになります。カノヌシの古文書をラフィの見えるところに置いてわざと読ませて、自分で願い選んだと思い込ませていたのかもしれない。

これらの状況についてどう捉えるかで、アルトリウスへの印象が変わってしまうと思います。
個人的には、ラフィが生贄に志願したこと、ベルベットが喰魔に適合したこと、そのどちらかは偶然であって欲しいなと思います。そうでなければ、この姉弟は、最初から最後まで義兄の手のひらの上で転がされていたということになってしまうから。怖がったり勇気を出したり怒ったり悲しんだり喜んだりしたことも、自分で選んだと思ったことも、すべて嘘だったのだということになってしまうので。

だから、もし10年前から二人を犠牲にするつもりで誓約を課し、動いていたのだとすると、「俺は、ずっと思っていたんだ。死んだのがセリカたちでなく……『お前たちだったらよかったのに』……と……」という言葉の重みがかなり変わりますね。

 

それでは、もうひとつの仮説、10年前ではなく「3年前の緋の夜にベルベットが喰魔に適合してから課した誓約ではないか」という見方も考えていきます。

この場合は、ラフィが生贄に志願したこと、ベルベットが喰魔に適合したことはアルトリウスの策略のうちではなかった可能性があり、多少の救いがあります。
しかし、ではそれまでの絶望はどうやって抑えていたのか?という疑問が浮かびます。

自分の不始末(セリカを助けに行くのが遅れたという直接的要因と、そもそも穢れを祓うのが対魔士としての自分の役目だったのに、それを投げ捨てて穢れ=業魔の広がりを食い止めなかったこと)から愛する家族を一度に二人も亡くした彼の嘆きは、業魔化しかねないほどの絶望だったということは容易に想像できます。
その絶望・穢れを、どうやって10年前~3年前まで抑えていたのか……。

カノヌシの制御どうこうよりも、まずは業魔化しないために「絶望を封じる」ことが最優先だったとすると、少なくとも3年前以前からの誓約だったと推測できるのですが、その対価として「二人を犠牲にする」と決めていた場合、アルトリウスは意図的に・本気で・確信犯的にラフィとベルベットを犠牲にしたということになってしまうので、ファミ通攻略本にさらっと書かれていた「対価」をどう捉えるか、よく考えていく必要があるなと思います。

12月に出る公式設定資料集でどう書かれるか今から楽しみです。

 

アルトリウスは誓約を破ったのか

誓約を破るとどうなるのか、各資料では次のように説明されています。

誓約を破ると力を失うだけでなく、反動により災厄が降りかかる。(ベルセリア公式コンプリートガイド)
誓約を破るとそれによって得た力が失われるのは当然だが、それ以上に大きな代価を払わなければならないこともある。(ゼスティリア公式設定資料集)

ゲーム中で誓約を破る場面が見られるのは、クローディンTOZのメーヴィンです。

クローディンは、アルトリウスを守るために恐らく誰かを殺し、「誰も殺さない」という誓約を破ります。その結果、誓約によって得ていた寿命を伸ばす力を失い、死亡する。
TOZのメーヴィンも、スレイたちに大地の記憶を見せて「時代の趨勢に関わらない」という誓約を破ったため、寿命を伸ばす力を失って死亡する。
その「死」という結果には、力を失ったことと、誓約を破った反動という二つの要因があると思います。

さて、アルトリウスの場合はどうだったのでしょうか。

ラストバトルまで、アルトリウスは誓約を守り、ベルベットとラフィを犠牲にすることで絶望を抑えていた。しかしベルベットから絶望を生めないため、自身の絶望を解放してカノヌシに喰わせ、完全復活と神依化を果たした、という流れでした。

「誓約によって得た絶望を封じる力を破棄し、絶望を解放した」ということは、「ベルベットとラフィを犠牲にするという誓いを反故にする」ということである。
だからその場合、最終決戦でアルトリウスが絶望を解放した時点で、「ベルベットを殺すことができない」という矛盾した結果に行きついてしまうのではないかと思います。

対価としているものを反故にするのでなく、その結果得られる力の方を破棄するので、クローディンやメーヴィンの場合と過程が逆です。因果より結果が先に来てるので若干イレギュラーではあり、実際どうなるのかはよくわかりません。
また、誓約を破った場合にふりかかるであろう反動が何だったのかも、よくわかりません。

 

アルトリウス関連は確定していない要素が多くあり、まだまだ想像の余地があります。
12月17日発売の公式設定資料集では、オリジナル小説も掲載されるそうなので、さらにベルセリア世界が深まるような内容だといいなあと思います。

テイルズ オブ ベルセリア パーフェクトガイド

テイルズ オブ ベルセリア パーフェクトガイド

 
テイルズ オブ ベルセリア 公式設定資料集 (BANDAI NAMCO Entertainment Books 56)

テイルズ オブ ベルセリア 公式設定資料集 (BANDAI NAMCO Entertainment Books 56)