二月の星のうえ

テイルズが好きです。ほぼネタバレに配慮していない個人的な感想です。

【TOtR】レイズ4部2章考察。「おかえり」のある風景

テイルズオブザレイズ ラストクレイドル 4部2章『魔眼を巡る戦争』が配信されましたので感想です。
ティル・ナ・ノーグの創世に関わった人間たちのことや、魔鏡戦争の発端となったオーデンセ侵攻のことなど、過去の出来事がメインでしたが、それらを紐解いていくのが4部の中心になっていきそうです。
ちなみに、シナリオは25日に配信されましたが、30日に回想シーンのウォーデン様の立ち絵が追加されていました。シュッとした美しい方です……。

ティル・ナ・ノーグの神の子どもたち

ティル・ナ・ノーグで神と呼ばれているダーナ、ナーザ、バロールは共にニーベルングに生まれた人間だということがわかりました。さらに、フィリップがダーナの子孫であることも判明。情報過多……って感じだったので整理してみました。

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さて、こうなるとナーザの子孫もどこかにいるのではという気がしてきます。
ナーザは想像の魔鏡術を使うので、同じ【想像】であるミリーナがまず候補として挙げられます。
ダーナがフィルに「約束の子どもたち」と話しかけていましたし、共に神の血を引くオーデンセの幼馴染三人組がそれだったと考えると、彼らが同じ時同じ島に生まれ育ったのは運命だったんだと思えて素敵です。
しかしながら、イクスやフィルが鏡士として相当の力をもつのに対し、ミリーナの能力はそれにやや劣るという印象があります。いまだにカーリャの姿も小さいし、作中でミリーナの術が特別強いと言われる描写もありません。鏡士としては平凡な部類かと思われ、神の子孫とするには説得力があまりないかなという気がします。
ミリーナとヨーランドの髪と目の色が同じなので、もしかしたらヨーランドの子孫かもしれませんが、ダーナの巫女ほどの能力は受け継いでいないのではと思います。
カレイドスコープを作り戦争をセールンドの勝利で終わらせたというゲフィオンの功績(功績と言っていいのかあれだが)はありますが、それもフィルの協力やイクスの魔鏡の力があってこその結果です。

そこでもうひとりの候補ですが、私はメルクリアがかなりいい線いってるのではと思います。ナーザの子孫はメルクリアだと考えられる根拠はたくさんあります。

・ビフレスト皇族は、ダーナに仕える司祭(それがナーザだったのでは?)の末裔であり、ニーベルングのことを知っているなど旧世界にかなり詳しい
・皇后エルダ(メルクリアの母)はメルクリアについて「ダーナの揺り籠を守るために生まれた知の乙女」と発言。なお、アイフリードの墓には【アイフリードここに眠る。揺り籠を守るために……】という文言がある
・メルクリアは、【想像】のミリーナと同じ霧の魔鏡術を使う
・イクスはメルクリアのことを「才能があるとはいえ、魔鏡術の勉強や鍛錬もあまり経験がないのに、あそこまで鏡士の力を行使できていて不思議」と評しており、鏡士としての能力が不思議なほど高い。鏡士の才は血統に依存するため、血筋が特殊である可能性が高い
・魔の空域は「この世の果て」でありそこを守るのはアイフリード、という伝承がビフレストに伝わっている(セールンドの方では、海賊とかオーデンセを救った英雄とか世界の成り立ちにあまり関係ないことで有名)
・ウォーデンが「ナーザ」を名乗ったのは偶然ではなさそう

この世界からバロールの力を失わないためにイクスの遺体を保存していたという理屈からすると、他のダーナ、ナーザの血を継ぐ者も絶やしてはいけないって理屈になると思います。
ダーナがフィルの安全を優先したのも、デミトリアスがメルクリアを引き取って生かしていたのも、神の血を引く最後の者だからではないでしょうか。ゲフィオンがメルクリアを助けることを望んでいた、というのもこれに関係するのではないでしょうか。

とはいえ、ナーザ神の血は既に絶えているのではという気もします。
グラスティンがシャーリィに焼き印をしたのは、シャーリィが海の神ナーザと同一の力をもつからでナーザを復活させるアプローチの一つだと思いますが、ナーザの血筋がいるならそっちを使う方が確実です。でもそうしないってことは、血を引く者がもういないからなのかもしれません。もしメルクリアがナーザ神の子孫なら、グラスティンはメルクリアが帝国にいるうちにあれこれやっていただろうし……

ところで、ダーナの鏡精(の子孫)が金髪・翠眼・バリボーなことから、ダーナの憧れた姿がそれだったのかもしれないと予想できますが、だとするとダーナはたぶんぺったんこ……で、フィルと同じく色のない黒髪だったのかもしれないし、ダーナの子孫であるフィルが、ダーナの鏡精と似た容姿のミリーナに惹かれたのもかなりおもしろいな~~と思いました。
血は争えないというか、性癖も受け継がれるんだなあ……鏡精つくると趣味嗜好バレそうで怖いな?

こちらの説もいかがでしょうか。

アイフリードを守る……

ダーナから「アイフリードを守って」と頼まれたフィルですが、具体的に何を守ることになるんでしょう。
理由はよくわかりませんが、デミトリアスらは今後「精霊を従えるために」ナーザ神の復活に着手するようです。
ダーナの予言に「フィンブルヴェトルが揺り籠を飲み込むとき、ダーナの巫女は目覚め精霊を従えてラグナロクへと立ち向かう」という一節があります。現在はすでにダーナの巫女は目覚めていますが、アイフリードによる精霊の封印はまだ残っているという状況です。ナーザ神が復活すればすべての精霊を目覚めさせ従えることが出来ると思うので、予言通りの状況にすることで、ティル・ナ・ノーグが滅びへ向かうシナリオを進めるという意図があるのかな?という気がします。
または単純に、ティル・ナ・ノーグを創る際に精霊の力も使っているので、壊すときにもそれが必要になるのかも……

ただ、デミトリアスが「あの時ダーナの心核を破壊できていれば、あの時点でティル・ナ・ノーグの精霊たちを強制的に目覚めさせることができた。そうすればナーザ神の復活ももっと早い段階で実現できていただろう」と言っていましたが、ダーナの心核を破壊したらその時点で世界の崩壊が決まってしまうので、この言い方からすると、世界を滅ぼした後にナーザや精霊の力が必要になるのかもしれませんね。
3部の頃に「帝国が精霊を武器として使用(精霊装)しようとしているのは、おそらく精霊の力でしか壊せないものを壊すため。異世界にあるクレーメルキャノンや魔導砲という大型の兵器にすることも考えられているようだが、今のところそれでは『被害が大きすぎる』んだとか」という話がありました。世界を滅ぼすつもりだったら被害の大きさを心配することはないと思うし、やはり精霊にはまだ別の使い方があるのかも?
精霊装とは「死の砂嵐」を破壊するためのものなのでは、と大昔に考察しましたがそっちなのかも。

なお、ナーザの鏡精の子孫であるルイス・アイフリードは、魔の空域の墓にて精霊の封印を受け持っていますが、まだ生きてるの?と問われたヨーランドが「生きてはいないわよ。さすがにね」と返していたので、ルイスは亡くなっていて封印だけ続いているようです。
ヨーランドは「魔の空域にアイフリードの墓はまだあるか?」ということを心配しており、「あそこはティル・ナ・ノーグと既に滅びたニーベルングを繋ぐターミナルのような場所。あの場所で繋がっていないと、ティル・ナ・ノーグは虚無に飲み込まれる。それを防ぐための楔」と言っていました。墓をひっこぬけばティル・ナ・ノーグを滅ぼせる……ようなわけではないと思うけど、ダーナの心核と同様ここも世界の要で、守らないといけないみたいですね。
あとは前述したように「この世界はダーナ、ナーザ、バロールの血を継ぐ者を絶やしてはいけない」ということになっているのなら、ダーナは「ナーザの子孫を守れ」と言ったのかもですね。

ダーナの言葉は「ナーザ神の復活を止めて、アイフリードの墓を守って、ナーザの子孫を守って」のどれか、または全部を指しているのかもしれません。

ちなみにミリーナがナーザの子孫だった場合、フィルがミリーナを守るっていうめちゃ好きな展開になるので嬉しいな……って思いつきで何か書くたびに先に書いてる予想と矛盾するけどこのブログはこんなのあったらいいなという妄想だけで書いているので許してください。

謎の人フリーセル

カジノイベントぶりに名前が出ました。なんかこの人も実は生きてそうだなあ立ち絵ください。
フリーセルは、フィルとともに救世軍を立ち上げた初代リーダーですが、ビフレスト人だったとは驚きました。
フリーセルがビフレストから派遣されたのは戦争前からのことなので、ビフレスト人ってことは別に隠してなさそうだと思いますが、戦争が始まったら真っ先にスパイって疑われそうなのにどうやってやり過ごして最終的にセールンドに残ったんだろうな~しかも王子のデミトリアス、グラスティン、フィルと学友だったという、めちゃくちゃセールンド中枢に入り込んでてすごい……まったく疑われてない……いや実はセールンド人でビフレストに仕えてるフリした二重スパイだった……?(疑いすぎる)

フィルはフリーセルのことをどこまで知っていたのかも気になります。
フリーセルがビフレスト人ならゲフィオンを恨むのが自然の流れだと思うけど、救世軍は反乱勢力を一本化しコントロールするためにフィルがあえて立ち上げた、実はゲフィオンを守る組織なんだよね。だからフリーセルがどっちの立場で救世軍にいたのかによって、いろいろ変わってくるなあと思います。
グラスティンがフィルに「救世軍をつくるためにフリーセルを巻き込んだ」と言っていたので、救世軍をつくると言い出したのはフィルなんだろうけど、真の目的まで話したうえで協力とりつけたのか、フリーセルの復讐心を利用してリーダーに据えたのか、よくわからない……フィルもカレスコ完成に関わっているからフリーセルから恨まれててもおかしくないし……フィルがフリーセルをうまく利用してたのかもしれないけど……
学生時代とか魔鏡戦争期の話イベントとかでやったりしないかな……

ティル・ナ・ノーグの歴史について

ウォーデンが「オーデンセが我々の領土だったのは昔の話だ。100年戦争時代にセールンドに奪われて以降何が起こっているか詳しく調査することも叶わない」と言っていました。
100年戦争」は今回初出だと思います。古代アスガルド帝国が1200年前頃に成立したあと、「分裂、瓦解して小国が乱立する時代があり、やがて残ったセールンド王国とビフレスト皇国の間で終戦協定が結ばれる」ので、この分裂期を指すのではと思われます。

2010年 アスガルド帝国が成立
・・・ 帝国が分裂、瓦解して小国が乱立  ←たぶんこれが100年戦争
3113年 セールンド王国とビフレスト皇国の二国間で終戦協定が結ばれる
・・・ しばらく平穏が続いたが、二国はキラル分子と呼ばれるエネルギーの発見と利用法を巡って対立する ←セールンドによる鏡精システムの運用と、それを止めるよう警告するビフレストの対立
3222年 ビフレスト皇国がオーデンセ島を襲撃【銀髪狩り】

オーデンセ島がセールンドの領土になってから100年以上経っていますが、バロールの血筋の者を鏡士にしてはならないという約束は、デミトリアスの父王の代になるまでは守られていたようです。セールンドがおかしくなったのは恐らくその先王からなのでしょう。鏡精システムも彼の代からと考えられます。そうなるとまだ黒幕がいるんか!?って感じですごいな……

過去の年表はこちらもご参考ください。


今回、精霊の封印地から帰還したフィルを、イクスとミリーナが「おかえり」と言って迎え、フィルが少し照れながら「ただいま」と返すとても良いシーンがありました。久しぶりにピリピリしていない三人が見られました。
3部ラストで、ダーナに会いに行くというフィルを「いってらっしゃい」と彼らは送り出していたんですよね。それをちゃんと覚えていて、フィルの帰りを待っていたんだよね。

ちなみに2部終章にも、魔鏡結晶から助け出されたイクスがミリーナから「おかえり」と言われて「ただいま!」と返した場面がありました。

この流れからいくと、次はミリーナが「おかえり」と迎えられ、「ただいま!」と言う番なのでは?と思います。
人体万華鏡から助け出されたゲフィオンが言う展開になりそうだな……と思うけど、いつも誰かの帰りを待ってくれている二人目ミリーナを、今度は誰かが待っていて「おかえり」と言って欲しいなとも思います。